4/22にアイルランドで開催された注目の大会。
メインとセミで気になったことを述べていこうと思います。
ノニト・ドネア VS カール・フランプトン
(引用元:ドネアはフランプトンに判定負け テテは完封勝利 | Boxing News(ボクシングニュース))
○結果
・「フランプトン判定勝利」3-0(117−111 ×3)
・インディー採点
フランプトン選手が終始ペースを握ったまま、有効打の数でも上回っての勝利でした。
ドネア選手は11Rに左フックが顔面と腹にやっとこさヒットし、盛り上がりを見せることができました。しかし、それ以外は中間距離でも接近戦でも上手くいかず、いつも通り手数も出ず、正直言って完全に実力差を感じた試合でした。
全盛期とかほとんど関係ない気と思います。勢いの差は多少あるかもしれません。それでも普通にフランプトン選手が上手でした。
・世界一のオールラウンダー?
フランプトン選手のボクシングはオールラウンドで弱点がありませんね。
身長差、体格差がある選手に対しても、接近戦だけでなく、離れても自分のパンチの方を当てることができるのですから、大した技術を持っています。素早い出入りができるステップワーク、ハンドスピード、タイミングが抜群で、リードの差し合いではほぼ勝っていましたから。
また、時々自分から距離を潰して接近戦にも持ち込み、ある程度パンチを打ちこんだら、また離れてジャブで攻撃する、という様に、どんな距離でも戦えていました。しかも、自分が優勢で。
現在の世界王者たちを見ても、ここまでオールラウンドな選手は僕はいないのではないでしょうか。自分よりも体が大きな選手を相手にして、という条件をつければ確実にいないでしょう。
・ご指摘通りのkey to victory
フランプトン選手に弱点が無いとは言いましたが、ディフェンス面での隙は多々見受けられます。
ガードが普段低いせいなのか、攻め急ぎすぎているのか、パンチをまあまあもらうんですよね。もらいすぎたり芯を食うほどではありませんが、当たっているシーンは結構見ます。
接近戦にもつれ込むとそういう機会も必然的に増えるのですが、今回はドネア選手のアッパーをよくもらっていましたね。
実は、試合前いつもWOWOWさんが教えてくださるkey to victoryで、ドネア選手に対するご指摘内容が「左アッパー」で、「あれ?左フックではないのかな?」なんて思っていたインディーだったのですが、そこはさすがのエキサイトマッチ(今回は飯田さん)でした。
実際その通り、フランプトン選手は真ん中のガードが弱くアゴが上がっていたので、今回アッパーカットが一番効果的にもらっていたパンチだった様に思います。
ドネア選手は、なんとかの一つ覚えみたいに、左フック一発を顔面に狙うのではなく、序盤よく出していた左ボディブローなんかを出し続けていかないと、この先この階級ぐらいの力になると相当厳しいと思います。後半当てた時みたいに、一発逆転の可能性はありますが、テレビで見てる側にもわかるぐらいパンチ狙っているのを気づかれたら、世界レベルの目の前の対戦相手に気づかれないわけがないんですよ。
左のアッパーとボディブローって体の角度的に一瞬わかりにくいんで、もう少し接近戦で使い分けれたらいいのになぁ、少しはマシな展開になるのかなぁ、とkey to victoryを思い出しながら見ていました。
・井上選手もこの戦い方ができればフェザーまでいける!?
気がします。。笑
だって、フランプトン選手は165㎝、井上選手もほぼ同じの164㎝なんでしょ?
体格的には問題なしと言えますよね。そして、パンチ力とスピードはもちろん、馬力もスタミナもおそらく問題なしでしょう。
問題なのは、接近した時の技術面でしょう。
別に、下手だと言っている訳ではありません。接近戦が得意な選手にも負けないぐらいのスキルを身につけているのか、というレベルでの話です。
フランプトン選手の場合は、あの打ち合い大好きなサンタクルス選手とクィッグ選手と同じ土俵で挑んで勝利するぐらい接近戦ができます。
ドネア戦でも、ガード上げて頭下げてガーッと詰めて自ら接近戦に持ち込むシーンをよく見ました。ドネア選手のパンチ力も恐れない、いや打たれない自信があるからこそ、できる攻め方です。
いくら上手い選手でも、体格差、身長差で10㎝ぐらい差が開いてくると、ずっとアウトボクシングしていくわけにはいきません。そうなると、小さい選手はどうしても潜り込んで接近しての戦いを強いられることになるのです。
リゴンドー選手ほどの空間支配能力があれば別ですが、そんな能力を身につけるよりは接近戦対策をした方が得策でしょう。少なくとも、井上選手はスタイル的にもそうした方が良いと思います。
具体的にどうすれば良いのかというところですが、色々方法はあるからこれっ!とは、僕も言えません笑。まあ、頭を動かすとか、打たれたら必ず打ち返すとかでしょうか笑。少なくとも、最後に自分がパンチを当てたと印象付ける必要はあるでしょうね。
いずれにせよ、フランプトン選手の戦い方を見ながら、最後の方では、井上選手もこれなら5階級制覇いけるのでは?なんて思えるぐらい、改めて素晴らしさを実感した試合内容でした。
ドネア選手には批判的な感想にもなりましたが、一発の可能性を秘めた選手の試合は最後まで見逃せませんから、今回の様な面白い試合をしてくださったことには非常に感謝しています。
同じアジア人として普通に応援しています!
ゾラニ・テテ VS オマール・ナルバエス
○結果
・「テテ判定勝利」3−0(120−108)
・インディー採点「テテ判定勝利」フルマーク
全く、つまらん試合でしたね。
一応、WBSSのバンタム級トーナメントを控えているということで、目は通しましたが、途中は早送りでした。
ずっとガードしているナルバエス選手と、リングの上で試合を意識した軽いミット打ちをしているテテ選手でした。
まあ、これで無事にWBSSに王者として出場できることになったテテ選手。井上選手との対決が注目されていますね。
前回、井上選手はマクドネル選手を瞬殺しましたが、その時の感想にも述べた通り、相手がテテ選手となるとかなり話が変わってくるんですよね。
今回の試合で改めて思ったのが、やはり絶妙な距離感というとこです。
ナルバエス選手が少し前に出ると、その分だけ下がることができますから、不用意に飛び込むと持ち前のリーチとカウンターで倒れかねません。
しかし、接近した際はほとんどクリンチしていたところを見ると、そこは得意では無いと思われます。過去の敗戦試合を見ても、おそらく打たれ弱い選手なので、一気に入り込んでマクドネル戦の様に暴れてしまえば、一瞬で試合が終わることも考えられますね。
いやいや、ますます楽しみになってきましたよ。
そして、ナルバエス選手に詳しい意見が聞きたいですねー。
以上。
なんか、井上選手の話ばっかりになってしまいました笑。
WOWOWさんもそれ狙ってたのか?笑。(絶対違う。)
あと、ドネア選手もWBSSに出るとかなんとか。
もう出ちゃいなよ!!笑
ではでは。