ボクシングとUFCの世界で現在最高のスター選手同士の対決が本当に実現し、試合前のプロモーションなど試合以外でも僕ら格闘技ファンを沸かせてくれたビッグマッチでしたが、上の記事でも述べた通り、結果はフロイド・メイウェザー選手が見事TKOで勝利を収めました。
メイウェザー選手とマクレガー選手の情報に関しては、これまでの特集でかなり多く述べてきたので是非こちらもご覧ください。
【ボクシングビッグマッチ企画(メイウェザーVSマクレガー)】
ということで、早速試合を見た感想を書いていきます!
フロイド・メイウェザー VS コナー・マクレガー
「メイウェザーTKO勝利」10R1分5秒
※私インディーの途中採点はこちらから。
立ち上がり、序盤1〜3Rは緊迫した試合展開が進んでいたものの、
結果的にはいつものメイウェザー劇場で終わりました。
しかも、オルティス戦から約6年ぶりのTKO勝利で!!
(綺麗なKO・TKOなら、なんと約10年ぶり!)
4R以降、積極的に手を出し、ボディとプレッシャーでじわじわと追い詰めていった40歳。
「また、このまままた判定まで行くのか?」と思っていたら、予想以上に疲れていったマクレガー選手にさすがのメイウェザー選手もここぞとばかりに攻め込み、レフリーストップを呼び込みました。
こんなに攻め込むメイウェザー選手は久しぶりです。というか、リアルタイムで見たのは初めてです。WOWOW契約して見始めたのが、16歳の時でしたから。
逆に、あれだけ追い込んでおいて判定まで持っていくなら、やられる側からしたら醜態を晒され続けるのですから、相当嫌なやつですよ笑。
敗北したマクレガー選手は試合後インタビューで「もう少しだけレフリー待っていて欲しかった。」と言っていましたが、「早く止めてくれて、ありがとう。」という方が正しいでしょう。
悔しいのはわかりますが、妥当なストップです。
そんな完敗を喫したマクレガー選手、本人は気づいていないようでしたが、表情だけはなぜかスッキリしているように見えました。
試合前からのプレッシャーに解放されたからかもしれません。
マクレガー選手は、ネイト戦に負けた時もそうでしたが、負けた時には潔く相手を讃える発言と態度を見せます。
試合前は偉そうだけど、試合が終わったら勝手も負けても讃えて感謝する。
そういう人間としての器が大きいところも、人気の要因なのでしょうね。
・明らかな違いは、二回り違う体格差とパンチのキレ
そんな、器の大きいマクレガー選手ですが、身体も計量の時より相当大きくなっていました。
ボクサーの場合、体重を増やしたがるのはファイタータイプの選手に多いのですが、MMA選手はほとんどの選手がガーンと体重を増やしたがります。
おそらく組んだ時やグラウンド状態で負けたくないからでしょう。
当日の体重は、両者何キロだったのかわかりませんが、「10キロ増やして挑む!」と言っていたぐらいなので、MMA選手であるマクレガー選手もかなり増量していたと思います。
逆にメイウェザー選手は、いつも計量から1キロぐらいしか増えません。カネロ戦なんか軽くなっていたぐらいです。
今回もそんなに増やしてないはずです。
そのおかげではありませんが、パンチのキレに関しては、段違いでしたね。
というか、マクレガー選手にはパンチのキレが無くて、メイウェザー選手にはパンチのキレがありすぎる笑。
マクレガー選手はもう少ししっかりしたパンチを打つと思ってたんですけどね。なんかずーっと、ペチペチペチペチとオープンブローで打っていましたが、あれじゃさすがに効かんでしょう。
MMAのオープンフィンガーグローブなら聞くかもしれませんが、あんなの多少当たっても無視できます。
そんなパンチの中に、一発ビュン!っとメイウェザー選手のパンチが飛んでくるもんだから、パンチのキレが余計目立ちました。
・ザブ・ジュダー戦時の攻め方のメイウェザー
二回り違う体格差に加えて、なかなかメイウェザー選手がなかなか手を出さないものですから、余裕そうに見えて意外と攻めあぐねているのかなー、なんて思っていましたが、全く大丈夫でした。
1Rにもらった左アッパーも2Rからは見切られたメイウェザー選手。
4R以降はマクレガー選手のパンチも大体見切ってしまいました。
そのままマクレガー選手にはこの攻め方、と判断できたのか、ジュダー戦を思い起こさせるような攻めを見せます。
このパンチを見切る能力、最適なプランを判断する能力が抜群に高いのが、天才たる所以です。
ガードを固めて、前に出て相手を休ませずにすぐ上下に散らしながらパンチを打ち込む。
おまけに高速でパンチが飛んでくるから、避けられない。でも自分のパンチは当たらない。
右のボディストレートも多用していましたが、あれも結構強力なんです。
今までもサウスポーに対しては頻繁に使用しており、シャンバ・ミッチェル戦ではそれをレバーに当てKO勝利しています。
主にそれをもらいまくってボディ効かされて、離れてもすぐ詰められて休む暇も与えてくれなくて、クリンチしてもすぐブレイクになって、、、
大変ですね笑。
結局、ガス欠になってしまいました。
ちなみに、ガス欠で負けると、頭に酸素が行き届かないのか、試合後頭が痛くなることが多いので、マクレガー選手は今頃パンチ多くもらったのも影響して頭痛に悩まされているのかもしれません。
・MMAとボクシング、ルールの違いによる影響
普段慣れていないボクシングルールに対応しきれていなかったことも、ガス欠を一層火を加速させました。
僕は、このルールの違いが起こすスタミナ消費の原因は二つあると思っています。
まず、リングとオクタゴンの違いです。
主戦場としているUFCのオクタゴンはかなり広く、その名の通り八角形なので、ほぼ円形です。
そのため、マクレガー選手は、予想以上にすぐ追い詰められている感覚だったと思います。
また、キャンバスも、マットあるのでオクタゴンより柔らかいため、足腰にもかかる負担は違うと思います。おそらくリングの方が、足腰の疲労感は大きいのではないでしょうか。(柔らかい分、強めに踏み込まなければなりませんから。)
僕がリングによって味わう感覚が違う人なので、マクレガー選手にとっては気になっていないのかもしれませんが、
練習では慣れていても試合と練習は違いますし、この影響はあると思います。
もう一つは、クリンチワークです。
MMAでは、ピンチになったらすぐに組みついて打撃のピンチを切り替えれるのですが、ボクシングではそれはできません。
組みついてもすぐブレイクします。
そのため、ピンチからの脱出方法がまだ上手くいかず、飛んでくるパンチを必死に対応しようとして、より疲れてしまったのでしょう。
以前、MMAの選手と話していたところ、
「ボクシングなんかよーやるよな。ボクシングの方が怖くてできん。」
と言われたことがあります。
やはり、MMA選手はピンチになったらクリンチで逃れることはできない、というのは相当不安なようです。
そう考えると、9、10Rの相当ヤバイ時には、とっさにタックルのようなクリンチもしてしまっていましたが、もっと思い切ったクリンチが多くてもおかしくなかったと思うのですよね。
だから、僕はあれでも相当クリーンな試合だったと思っています。
本音は、相当投げ飛ばしたかったと思いますよ笑
あと、やはりレフリーはロバート・バードさんで良かったです。
しかし、レフリーはケニーベイレスさんと思ってたんだけどな。そしたらメイウェザー絶対有利。ブレイク早いから。ちなみにトニーウィークスさんならマクレガー有利だな。結構ブレイク遅くて緩いから。https://t.co/jCLzwHJr42
— インディー (@k_indiiii) 2017年8月17日
これは決まった時のツイートですが、今でも両選手にとっても見る人にとっても、ベストだったと思っています。
反則時の少々手荒な扱いが気にはなりましたが笑。
・その他気になったこと
意外だったのは、会場がサッカースタジアムのようにならなかったこと!
めっちゃ意外でした。
途中少しだけ、オーレオーレ、と聞こえましたが、後は普通に盛り上がっているだけでした。
メイウェザー選手にも、ブーイングは少なめだったように思います。
てっきり、メイウェザーVSハットンのような会場になると思っていたんですけどね。
予想が外れました。。
最安値で約25万円と言われるチケットに交通費となると、アイルランドのファンもさすがに諦めたのかもしれません。
また、気になっていたDAZNのダウンですがそれも問題なく放送されて良かったです。
#メイウェザーvsマクレガー 実況解説、西さん宇野さんは問題は無いんですけど、なぜボクシングのプロ解説者は居ないのか。ジュニアさんはゲストでしょ?じゃあせめて誰か入れてよ笑。帝拳の会長に抑えられてんのかな?笑
— インディー (@k_indiiii) 2017年8月24日
こんなことつぶやいてましたが、個人的には問題ありませんでした。ジュニアさんの意見にもほとんど同意でしたし。
変に、ワーワー言うだけの元世界チャンピオンが解説に加わるより、全然良かったです。
見逃し配信も早めに出てますし、放送に関しては、十分満足してます。
今後もALL ACCESSのエピローグまでしっかり日本語版で放送されるのを楽しみに待っております。
ちなみに、公開練習の時から思っていたのですが、メイウェザー選手のシューズのメーカーがアディダスになっていたのも気付きました。
いつもは、リーボックなんですけどね。
そこはリーボックがUFC全体と契約しているのを優先したということでしょうか。
別になんでもいいけど。
いやー、今回の試合のPPVはまだわかりませんが、試合前から試合、そして試合後までスッキリできる大成功のイベントだったと思います。
特に試合後がかなりかっこよかった!
あの顔を近づけて称え合うシーンなんか特に!
両選手共ナイスガイでした!
まだ、マクレガー選手は29歳なので現役で活躍していくと思いますが、今後はビジネスの世界で結託していくことも考えられそうですね。
以上。
この試合が決まって、約2ヶ月。
興奮して思わず関連記事を5つも6つも書いてしまいましたが、今回で本当に最後となります。書いていて楽しかったです。
特集と称するものの、ほとんど自己満で書い綴っていただけの記事でしたが、お読みいただいた方々、お付き合い頂きありがとうございました。
これからも、ビッグマッチがたくさんあるのでボクシングの予想や感想を中心に更新していきます。
ではでは。